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偏光カメラについて
偏光とは
一般的な光(太陽光、蛍光灯など)は無偏光と呼ばれており、様々な方向に振動する光の波で構成されています。無偏光に偏光子を用いると、一定の方向に振動する光の波を抽出することができます。この光が偏光です。
偏光は偏光方向(光の波の振動方向)と、偏光度(振動方向の偏りの度合い)という2つの情報を持っています。通常の可視カメラでは主に色(光の波長)や明るさ(光の振幅)を検出しますが、偏光カメラは偏光方向と偏光度を検出することで、可視カメラでは認識しづらい対象物の詳細な表面状態などを可視化することができます。この特性を生かして外観検査や応力認識、特定対象物の検知など様々なアプリケーションに導入いただけます。
アプリケーション事例
金属メッシュ
強い光沢の影響によってこれまで二値化による画像処理検査が難しかった編組シールドも1本1本認識することができます。
カーボンファイバー
陰影によって表面状態の確認が難しいカーボンも、くっきりと確認できます。
メガネ
ガラスやプラスチックなどは応力がかかると、偏光情報が変化する素材です。
偏光カメラではその偏光情報を可視化することが出きます。
各モードでの撮像イメージ 対象物:カーボンファイバー
Baumer社製偏光カメラVCXG.2-51MP/VCXU.2-50MPでは、以下の3種類のモードを切り替えて、どの偏光情報を用いた撮像結果を出力するかを選択することが可能です。
DOLP(Degree of Linear Polarization) 偏光度を参照
直線偏光※の度合いが高い箇所を明るく、低い箇所を暗く表現した画像
※直線偏光=波の振動方向が1方向に限られている光
AOP(Angle of Polarization)偏光方向を参照
偏光方向の角度毎にグレースケールで表現した画像
ADOLP(Angle and Degree of Polarized Light)偏光度、偏光方向を参照
疑似カラーで偏光度、偏光方向を表現した画像
色相は偏光角、明度は偏光度を表す(彩度は固定値)
疑似カラーはBaumer独自のHSIカラーマップを使用。
SONY製偏光センサPolarsensについて
ワンショットで4方向の偏光画像を取得
SONY製偏光センサPolarsensは4方向(0°、45°、90°、135°)の偏光子を搭載しており、1回の撮影で4方向の偏光画像を取得できます。今までは偏光方向を変えて複数回の撮影が一般的でしたが、1回で複数の偏光情報を取得できるため、よりリアルタイム性の高い撮像が可能になりました。
マイクロレンズの下に偏光子を配置
従来の偏光カメラは偏光子をイメージセンサの上に配置する構造でしたが、SONY製偏光センサ Polarsensはマイクロレンズの下に偏光子が配置されております。これにより偏光子とフォトダイオードの距離をさらに近づけることで隣接画素に入ってしまう光を減少させ、従来の構造と比較してより誤差の少ない偏光強度を取得を実現しています。
リアルタイムで複数の偏光情報を取得可能
従来の偏光カメラは動体撮影の場合、異なる偏光方向を撮影するカメラを複数台用意して撮影しましたが、 カメラ台数の増加によるコストの高さと、カメラ毎に撮像タイミングが異なる為、リアルタイム性に欠けるというデメリットがありました。Polarsensはグローバルシャッターを搭載しており、動体撮影でも1回で4方向の偏光画像を撮影可能。コスト削減とリアルタイム性の獲得の両方を実現しました。
Baumer社の偏光カメラ一覧
商品コード (型番) |
解像度 フレームレート |
センサ | センサメーカー | シャッター | インターフェース |
---|---|---|---|---|---|
VCXG.2-51MP | 2448×2048 24fps |
CMOS 2/3” |
Sony IMX264MZR (Polarsens) |
グローバル シャッター |
GigE |
VCXU.2-50MP | 2448×2048 73fps |
CMOS 2/3” |
Sony IMX250MZR (Polarsens) |
グローバル シャッター |
USB3.0 |
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