※画面を横にするとパソコン版のレイアウトでご覧いただけます。
 正しく表示されていない場合は横向きでご覧ください。

赤外線測定による電子回路の設計評価

赤外線サーモグラフィーカメラによる電子部品の温度測定

試験機器における信頼性の課題:PCB部品の加熱調査
基板検査装置(インサーキットテスタ)

ある試験検査機器メーカーでは、シャーシ内のプリント基板(PCB)上の部品の過熱が原因であると疑われる波形アナライザの信頼性の問題に直面しています。

疑わしい基板に使用されているすべての電子部品について、最大動作温度が調査されました。その後、基板をテストスタンドに取り付け、プロセッサ負荷が高い使用状況を再現するために通電されました。

主要な部品は接触型温度計を使用して測定され、それぞれの部品の最大温度を超えて動作しているものがないか確認しました。結果、すべての部品が仕様範囲内に収まっていましたが、いくつかの部品が最大温度に非常に近い状態で動作していることが判明しました。

表面実装部品(SMD)のように非常に小さな構造物の温度を測定する場合、熱電対の使用には課題があります。小さなPCB部品は熱容量が小さく、これらの小さいSMDと比較すると、熱電対は試験中に部品の温度に影響を与えるのに十分な熱容量があります。熱電対とその配線が電子部品から熱を奪うため、SMDの実際の温度よりも低い値が測定されます。このため、静的な条件での温度振幅が小さくなり、熱力学的な測定が不正確になります。

その結果、内部温度が密閉されたケース内で部品温度に与える影響を考慮するため、機器シャーシ内での温度試験が必要とされました。ただし、機器の筐体によって視界が遮られる可能性があり、遠隔での温度測定は困難であると考えられます。

電子部品の熱測定における熱電対と比較した赤外線サーモグラフィーカメラの優位性

電子部品やアセンブリにおける赤外線サーモグラフィーカメラを使用した検査は、初期プロトタイプの開発から量産に至るまで、故障検出や品質管理を目的とした確立されたテスト手法です。この方法は、プリント回路基板、集積回路、マルチチップモジュール(MCM)の表面におけるホットスポットや異常な温度分布など、さまざまな問題を検出します。また、異常な接触抵抗の増加、接合部の隠れた亀裂、RFミスマッチによる電力損失、ヒートシンクの不適切な接続、短絡、冷間はんだ接合などの欠陥を特定します。

このアプリケーションでは、赤外線サーモグラフィーカメラを赤外線透過材料と併用することで、機器筐体(シャーシ)内の典型的な動作環境を再現しつつ、すべての重要な基盤部品の温度を正確に評価します。トップカバー部分を取り外し、いくつかの赤外線透過材料でテストしました。まずはサランラップからテストを開始し、赤外線領域で非常に高い透過性を示し、信号の減衰率は10%未満でした。しかし、機器のファンを動作させるとフラつきが発生し、耐久性に問題がありました。

セレン化亜鉛(ZnSe)は、耐久性と目視での観察が可能な点で最良の解決策とされましたが、PCB全体を覆うための窓を作成するためにコストが高くつきました。最終的に、開閉装置(スイッチギア)の赤外線検査に使用されるフッ化カルシウム(CaF2)のが最適なソリューションとして採用されました。ZnSeよりも赤外線透過率は低いものの、この点を考慮して測定が可能です。また、窓材は金属製のハウジングに納められており金属製の筐体に容易に取り付けられます。価格も手頃なため、複数の窓を利用して主要部品のデータ収集が可能です。結果として、2つのデバイスが他の発熱デバイスの隣に取り付けられており、適切なエアフローが確保されていないことが原因で過熱していることが判明しました。

熱電子部品の測定における赤外線カメラの優位性

Optris Xi400は、小型で取り付けが簡単な赤外線サーモグラフィーカメラであり、シャーシの上下のIR窓に設置されたレールシステム上に簡単に設置できます。最適な視線角度を確保するために角度が調整され、ターゲットとなる部品にフォーカスをを合わせます。付属のPIX-Connectソフトウェアを使用すると、筐体内部の最も高温個所を測定するスポットや小さなエリアを簡単に設定でき、制限なく必要な部品の温度の変化を追跡することが可能です。温度と時間のデータは、簡単に収集しCSVファイルで保存でき、後で調査・分析することが可能です。また、ソフトウェアのホットスポット機能により、基板上で最も高温の場所を迅速に特定することができます。

窓を通じた温度測定では、透過率の補正が正確な温度測定において重要です。PIX-Connectソフトウェアの透過率設定機能を使用して、窓なしのターゲット温度と窓材を通したターゲット温度を比較し、温度が一致するまで透過率を調整することで補正が可能です。また、小型デバイスに接触型熱電対を設置すると、熱が逃げることでデバイスの温度が下がることが判明しました。非接触で測定する赤外線サーモグラフィーカメラであれば、ターゲットの温度に影響を与えずに測定することができます。セラミックやすべてのポリマー系材料の測定は比較的正確に行えますが、金属ケースなど放射率の低いターゲットの場合には表面放射率を向上させるためにカーボンブラックを塗布する必要があります。

推奨製品

サーモグラフィUSB2.0カメラ PI/Xiシリーズ Optris パイロメーター Optris
ページ上部へ戻る