産業用UVCカメラのすすめ 産業用UVCカメラのすすめ

デジタルズームと光学ズームの違い

ズームとは撮影対象物の画像を拡大、縮小することで、任意の視野サイズを指定できる機能のことです。
産業用カメラには「光学ズーム」と「デジタルズーム」の2つの機能があります。

デジタルズームとは

デジタルズームはレンズなどの光学系の制御をすることなく、映った画像の一部をPCのソフトウェア上で引き延ばすことによって、被写体をモニターに拡大して表示する機能を指します。スマートフォンに使われるズームは一般的にはデジタルズームが使われています。

光学ズームとは

光学ズームはレンズの中心点からイメージセンサーまでの距離(焦点距離)を変化させることによって、画像を引き延ばすことなく被写体を拡大させることができます。
遠くの被写体を撮影するときに画質の劣化が少ない画像を取得できることから、監視カメラなどで使用されることが多いです。

デジタルズームと光学ズームの比較

TheImagingSource社の電動ズームレンズ内蔵カメラ(DFKZ30GP031)を使って、下記のシート(ISO Resolution Chart)の赤枠部分をズームしたときのそれぞれの画像比較をします。

ローリングシャッター方式

デジタルズームの画像

ソフトウェア上で取得した画像を引き延ばすことによって、赤枠の個所を拡大してみることができます。固定焦点のレンズを装着したカメラでも手軽に拡大できる反面、細い線の間がぼけるなど画質が劣化してしまいます。デジタルズームではエリアを切り取って拡大しているので解像度が落ちています。

デジタルズームの画像

光学ズームの時の画像

画像を引き延ばすことをしてないため、デジタルズームの時に見られた細い線の間がぼけなどもなく、画質の劣化を抑えられることがわかります。光学ズームではエリアを切り取らずズームインして視野が小さくなっているので解像度は落ちていません。
ただし、光学ズームを制御するためのレンズ機構を備えていないと実現できないので、固定焦点のレンズのカメラなどでは光学ズームはできません。

光学ズームの時の画像

デジタルズームと光学ズームの比較をまとめると以下になります。

メリット デメリット
デジタルズーム 専用レンズ不要
(導入コスト不要)
表示解像度が落ちる
光学ズーム 解像度そのままで
拡大表示できる
ズームレンズが必要

デジタルズームと光学ズーム、両方できるカメラ

産業用UVCカメラを提供するTheImagingSource社のカメララインナップのうち、以下のDFKZシリーズは電動ズームレンズ内蔵カメラです。専用のビューワソフトを使用することでソフトウェア上から、光学ズーム、アイリス、フォーカスの制御ができます。また、専用のSDKを使用し、専用のAPIを使ったソフトウェアを開発することで、任意のタイミングでズームのプロパティを制御することもできます。もちろんデジタルズームも可能です。

産業用カメラでUVCカメラとして動作するもの

DFKシリーズ
UVCデバイスとして認識。C/CSマウントUSB2.0カメラ。小型で低価格。カメラ三脚標準付属。
DFKシリーズ
UVCデバイスとして認識。USB3.0Vision準拠。フレームバッファ搭載。
最新のPYTHON、Starvis、Pregiusセンサー搭載カメラ。
DFK-Fシリーズ
UVCデバイスとして認識。レンズ交換可能なオートフォーカスカメラ。
フォーカス位置をSDKからコントロール可能。USB2.0とUSB3.0のモデル有。