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【入門編】VisualStudioでOpenCVの環境構築

目的、概要

VisualStudioの環境にてPythonとOpenCVでTISカメラを動作させる方法について説明します。

動作環境 Windows 10
開発環境 Visual Studio 2019
開発言語 Python

実行結果

例:

※実行するサンプルプログラムによって挙動は異なります。

Visual Studio Codeとの違い

Visual Studioはプログラムのコードを編集したり、コンパイラしたり、バグを修正するための開発環境です。Visual StudioはC++/C#/VB.Netのようなコンパイルが必要となる言語をサポートしており、Windows FormやWPFなどのGUIのアプリケーションや、ライブラリの管理が簡単なことから大規模プロジェクトで用いられることが多いです。C#/Vb.netといったアプリケーションの連携で使用しない限り、Visual Studio Codeで開発することをお勧めします(理由は【4.Pythonプロジェクトの設定】に記載)。
なお、2022年時点で、公式上Visual Studioに、Python をExe化する機能はありませんのでご注意ください。

実行手順

1.Visual Studio をダウンロード

Pythonを動かす為の開発環境Visual Stuioをダウンロードしてください。
https://visualstudio.microsoft.com/ja/downloads/
ここでは、Visual Studio 2019で紹介いますがVisual Studio 2022でも動作は確認しています。

2.サンプルプログラムをダウンロード

下記から任意のサンプルプログラムをダウンロードします。
https://www.argocorp.com/software/sdk/ICImagingControl/Sample_program/Python_35/index.html

3.VisualStudioを起動

Pythonプロジェクトを作成するために、VisualStudioを起動して「Pythonアプリケーション」で新しいプロジェクトを作成を選択します。

4.Pythonプロジェクトの設定

プロジェクト管理のために任意のパスとプロジェクト名称を入力し、「次へ」を選択します。

すると下記のように空のPythonファイル(tiscamera_test.py)が生成されます。
ソリューションファイル(tiscamera_test.sln)はプロジェクト単位でアプリ全体を管理するファイルです。ソリューションファイルの中にはVisual Studioのバージョンやどのプロジェクトを使用するのか書かれています。
ソリューションファイルの中にあるプロジェクトファイル(tiscamera_test.pyproj)には、プロジェクトの中にPythonのバージョンや、Pythonファイルがどこに紐づいているのか記載されています。

Visual StudioはこのようにソリューションファイルによってVisual Studioのバージョンを管理し、プロジェクトファイルによってどのPythonファイルを使うのか紐づけされていますので管理が簡単です。一方で、ソリューションとプロジェクトとPythonファイルなどの紐づけを読み込むため立ち上げるまでに遅かったり、ファイルの場所を変更したりプロジェクトの名前を変更すると途端にVisual Studioでエラーになり動作しなくなることがありますので、単純にプログラムの動作検証をしたい場合には不向きです。

5.プロジェクトの場所を開く

作成したプロジェクトのフォルダー内に「2.サンプルプログラムをダウンロード」でダウンロードしたPython内のファイルを追加するために、ソリューションエクスプローラー内のプロジェクトで右クリックし、「エクスプローラーでフォルダーを開く」を選択するだけです。

6.サンプルプログラムの再配置

Pythonプロジェクトのエクスプローラーが表示されるので、その中に下図のようにサンプルプログラム内のファイルをコピーし、プロジェクト内でサンプルプログラムが使用できる状態にします。サンプルプログラム内にあるdllファイルやtisgrabber.pyなどはTISカメラを動かすのに必要なファイルとなりますので必ずサンプルプログラムと一緒にコピーしてください。

例:

7.プロジェクトにサンプルプログラムを読み込む

サンプルプログラムがプロジェクト内に読み込ませるために、VisualStudio のソリューションエクスプローラーのプロジェクトで右クリックし、「追加」→「既存の項目を追加」で追加したPythonのコードを選択してください。

既存の項目を追加を選択し、プロジェクトにPythonファイルを紐づけます。

下記のようにPythonコードが追加されます。

8.パッケージ(ライブラリ)を追加準備

次にOpenCVなど必要なパッケージ※を入れるために、環境構築をします。VisualStudio のソリューションエクスプローラーの「Python環境」で右クリックし、「すべてのPython環境を表示」を選択してください。

※パッケージとはPythonで使えるプログラムファイルをまとめたものです。

9.パッケージ管理ソフトを選択

「概要」リストボックスから「パッケージ(PyPI)」を選択してください。PyPIはPython Package Index の略称でPythonのライブラリを管理しているシステムです。PyPIでは、"pip"と呼ばれるPythonのライブラリ管理ツールを使用することで簡単にライブラリ(パッケージ)を簡単にインストールすることができます。

下記の通りPythonのバージョンが多数出てくる場合は、Pythonのバージョンは3.7以上を選択してください。バージョンが3.6以下の場合プログラムが動作しないことがあります。

10.必要なパッケージを追加

必要なライブラリをインストールするために、「PyPlとインストールされたパッケージの検索」のテキストボックスに下記のワードを検索し、opencvとnumpyなど必要なパッケージをインストールしてください。

この手順によってopencvとnumpyが使用できます。

11.実行するPythonファイルを選択

これでやっとサンプルプログラムを実行できる状態になりましたが、この状態だと空のファイル(tiscamera_test.py)が実行されてしまいますので、VisualStudio のソリューションエクスプローラーの動作させたいPythonプログラム(Tis-OpenCV.py)上で右クリックし、「スタートアップファイルとして設定」を選択してください。

12.サンプルプログラムの実行

「アタッチ」ボタンをクリックすると、実行結果が表示されます。