１．何を検査すべきか

照明を選択するには、測定対象物の何を観察・検査したいかを説明することが重要です。検査対象物、欠陥事例、特性変化など検査タスクの説明が正確であるほど、適切な照明選択に役立ちます。

• ・有無チェック、欠陥、量が多い
• ・画像検査、汚れ、傷、変色
• ・測定対象物の大きさ、変形、寸法エラー
• ・汚れや傷、数量
• ・ロボットのレベルチェックと位置判定

２．測定対象物の詳細

測定対象物の正確な情報で最適なLED照明を選択できます。

• ・物体の材質？（金属、プラスチック、ガラス、有機材料）
• ・物体の色？（赤、緑、青、白、混色、銀、金など）
• ・表面状態？（マット、反射、光沢、ミラー、透明）
• ・物体形状？（平面、凹凸、半円形状、傾斜面、深さ）

右の写真の測定対象物の説明は下記のようになります。

• ・測定対象物：包装パッケージ内のカプセル
• ・材質：オイル
• ・色：黄色がかった半透明
• ・特性：反射透明プラスチックの下
• ・形状：隆起した湾曲包装

３．測定対象物の周辺環境

一般的に測定対象物の検査が行われる周辺環境の情報は照明の選択にとって重要です。

• ・環境（明るい、暗い、反射する、模様がある、水がかかる、ほこりっぽい）
• ・向きは一定か、ランダムに変化するか
• ・検査で流れてくる速度
• ・照明を設置できるスペースと距離

４．作動距離のバリエーション

測定対象物までの光の作動距離・ライトワーキングディスタンス（略してLWD）は、カメラで撮影する際に測定対象物への光の効果で大きな影響を与えます。
同じ照明でも、作動距離が異なると違った結果が得られたり、異なる検査タスクでの課題を解決できる可能性があります。照明の距離変化は、角度をつけた照明位置において特に顕著に表れます。検査結果が最適ででない又は安定して再現できない場合は、LWDを変更して、より高いコントラストの画像を実現すると改善する場合があります。
一般的にドーム型、同軸落射型、水平のリング照明などは短い作動距離で利点を発揮しますが、通常のリング照明やハイパワー照明は、検査フィールドを均一の照明するために大きなLWDを必要とします。