収穫後に工場のコンベア上にイメージ分光センサーを配置して自動分類をします。果物の成熟度、糖度、ワックス、農薬濃度など測定して等級分けをすることが可能です。またデータを収集して気候変動に強い農作物の研究開発にも応用が可能です。イメージのみならずマルチファイバーを用いて数百カ所の同時モニタリングも可能です。

測定した分光イメージはセンサーの仕様に応じた波長分解能で各バンドのデータが得られます。野菜や果物の鮮度のみならず不純物混入、傾向分析、環境変動計測なども行うことができます。果物食酢の糖度、酸度はおいしさや味わいで重要な評価項目であるが、土壌分析も評価がすすんでおります。

食肉の分光計測は、微量アンモニア、素地の不透明性、加工後の亜鉛測定、タンパク質や脂肪分の分布、合成抗菌材など様々な食肉中の分光成分をイメージで測定することができます。測定データをもとに蓄積された情報が安全性の向上に大きく貢献し、インラインでの検査も可能にしました。

米国のUSDAの中心になって進めている食肉検査の自動化です。近赤外線域対応のハイパースペクトルセンサーが導入され、つるし搬送されてくるライン上で不良検知と品質検査が行われております。現在はより高速処理に対応できるよう改良が進められております。

トウモロコシのポリ乳酸繊維、デオキシムギネイン酸、葉中のクロロフィル濃度、カビなどの評価にイメージ分光が用いられております。最近はバイオ燃料関連からトウモロコシ、サトウキビ、大豆など従来の農産物、食品、加工品、飼料用など以外の目的でも分光計測が進んでおります。

農産物フィールドのマッピングして、生育状態や害虫の発生分布、品種毎の分類、気候や環境変動による影響など大規模農場では効率的な生産とともに品質の管理が行われております。イメージ分光で分類されたエリア情報をもとに農薬や肥料の散布量や場所をきめます。

イメージ分光でおもしろいところは目視では見られない情報が得られることである。デリケートな果物などはその吸収特性から様々な情報をもたらします。また分光反輻射強度の変動係数からも有用なデータが活用されております。

植物の生態や組織、植物中の葉緑素、ホウ素、気孔メカニズムなど多くの評価計測が可能です。環境関連の研究では、植物の根の生死の判断、地中の有機物と土壌の分類などにもイメージ分光が用いられております。

植物や森林、土壌など景観の中での色彩の状態をイメージ分光して客観的にとらえることは人間の視覚感性がもつ感覚を分析することができます。人間が暮らす環境、衣装、使用する産業製品など色彩情報は幅広い分野で重要視されています。

農作物の残留農薬の検出は近年輸入品に対して特に重要視されております。ハイパースペクトルカメラをもちいれば大量の検査対象を一気に測定し分類することができます。また、国内では屋内農場技術の向上で、生育モニタリングにも使用が可能です。